私は昨年の8月25日から12月28日までの約4ヶ月間、韓国の鎮海にある韓国海軍士官学校(以下 韓海士)に派遣されました。
防衛大学校では、1 士官学校及び防衛大学校との制度、慣習の比較 2 士官学校における他国の留学生を含む、士官候補生との親睦を深め、将来につながる関係を構築 3 語学力の向上 という目標のもと学生を海外に派遣しています。派遣は主に一学期留学する長期派遣、1〜2週間程度留学する短期派遣、また海外における国際会議、学生会議に参加する派遣の3つに分けることができ、アメリカやアジア、ヨーロッパ等に選ばれた学生が派遣されます。
私が派遣において学んだことを2つに絞ってご紹介します。
- 士官候補生としての自覚
韓国で出会った士官学校の生徒の生活や勉学に対する意識はあらゆる面で防衛大学校の 学生を上回るものでした。生活面で言えば整理整頓や清掃状況、上級生においても規律が行き届いている点。勉強面では授業中に寝る学生はおらず、学力(特に英語)のレベルも防大より高いものでした。これらの違いは士官候補生として、また軍人としての自覚の違いからくるものだと私は考えました。韓海士の学生またそこで出会った他の国の士官候補生は士官候補生として自らを誇りに持ち、常にその誇りを胸に行動していました。防大とは制度が異なるので単純に優劣をつけることはできませんが、私も韓海士で得た誇りを胸に、現在の防大の状況に甘えず生活したいと考えました。 - 国境を超えた友情
韓国においては韓国の学生だけではなく、アメリカ、カナダ、カザフスタン、サウジアラビア、フィリピン、他にもたくさんの国の人々と会い、友人となりました。国境を超えた友情という点で一番印象に残っている話が韓海士の学校長とのお話です。その学校長はRIMPAC(環太平洋合同訓練)の司令官をした経験があり、その際他の国の司令官に助けられ、そこで育まれた友情は今でもなお続いているというものでした。派遣の目標の一つに将来につながる関係を築くというものがありますが、士官候補生の国境を超えた友情に関しては学生時代に一緒に過ごした友情が士官となってからも役立つとういう点で、大きくみれば国防につながることにもなります。ここで得た友人たちとの友情を途絶えさせず、大切にしていきたいです。
海外派遣は上記のような学びを得れるだけではなく、さまざまな経験を積むこともできます。また防大を代表し、国費で行くことができるという点でも素晴らしい体験となります。特に1学年は今からでも派遣に向けて勉強をすれば、遅すぎることはありません。派遣に行くためには、まず英語を勉強することが大切です。TOEICが600点以上あれば選考に残る可能性があります。TOEICのスコアが600点以下の学生はまず600点を目指しましょう。また600点を超えている学生は800点を超えていれば長期派遣に行ける可能性が高くなると思います。また、英語以外にも学生舎生活や校友会活動で頑張っていればチャンスが巡ってくるかもしれません。何事にも全力で取り組むことが派遣への近道です。ぜひ頑張ってください。
もし、気になることがあれば私の元まで連絡または直接来てくれたらお答えします。
68期 322小隊 雨宮将太郎 海上