私自身、硫黄島のことを事前に調べており、硫黄島のことを知っている気で来たが、実際に硫黄島に到着し研修を始めると驚くべきことがたくさんあった。
まずは現地の気温だ。12月という冬の時期であるが、硫黄島の気温はもはや夏だった。歩くだけで汗が止まらなくなるような暑さで、研修地の移動は全て徒歩で行ったが、脱水症状になりかけたり熱中症で倒れたりする人も出てきた。先人たちはこの気温の中で作業を行ったり戦闘を行ったりしていたと聞いて、到底信じられるものではなかった。
二つ目に驚いたのは戦闘の痕跡が多いことだ。摺鉢山(すりばちやま)が激しい砲撃により削れていたり、壕がたくさんあったり、銃弾の後がたくさん残っていたりと、戦争がここで本当にあったのだと実感できた。
現在の日本では戦争について学ぶことはできるが、実際に肌で戦争について学ぶ経験はなかなかできない。この硫黄島研修では様々な貴重な体験をすることができた。また、先人たちのおかげで今の自分が生きていることを実感できた。感謝の気持ちを持ちながら生活し、戦争は絶対にしてはならないと思った。
第65期 藤岡 周