第72期入校予定者の保護者の皆様へ


我が子を防衛大学校に入校させて心配になるのは、「防衛大学校が一般の大学ではない」ということ。上下関係の厳しさや規律どおりの学校生活、訓練に順応できるだろうか・・・ということです。
防衛大学校の1年生の頃を教えてくれる「あおざくら」というコミックに紹介されている内容は4年以上前のものです。66期からは体罰や反省文を書くこともなくなり、67期からは他の部屋の上級生からの呼び出しも無くなりました。68期からは更に上級生からの指導が限定的になっているようです。
とはいえ、「防衛大学校の厳しさは、ほぼ1年生の間に終わる」と言われるほど集中的に鍛えられます(実際には2年生になりたてのカッター訓練が最後の試練と言われています)。
また、校友会と呼ばれる部活動があり、6月頃から全員が体育会系の校友会に入ります。


防衛大学校は第1から第4までの大隊に分かれています。大隊毎に宿舎も分かれており、各宿舎の中もそれぞれ1階の1中隊から4階の4中隊までと、フロア毎に4つの中隊(各120人位)に分かれます。
1つの中隊は更に3つの小隊(各40人位)に分かれ、1年生の間はその小隊で過ごします(2年生で陸・海・空の要員が決まり、新しい大隊で4年生まで過ごします)。


防衛大学校の1年間は前期・中期・後期に分かれ、学期ごとに部屋も変わります。前期は1年生3~4人と、対番と呼ばれる2~3年生の世話役が同室となり、そこで身だしなみを学びます。身だしなみは相当厳しく、シャツやズボンのアイロンかけや靴磨き、シワができない制服の着こなし、校章の磨き方まで徹底的に指導されます。掃除の仕方やベッドの整え方、入室の際のドアの開け方や挨拶も同様です。同室の上級生は前期を特に厳しく指導します。
また、前期に航空要員の適正をみる検査があります(パイロット適性検査、いわゆるP適)。主に視力が重要ですので、航空を目指す子は矯正視力を1.2以上にしていた方が良いようです。


夏休み前には東京湾での8キロ遠泳がありますが、この頃には厳しい中で共に闘ってきた同期との友情を感じて、防衛大学校で学ぶことの意義も理解できるようになります。帰省する頃には真っ黒に日焼けした、心も体も成長したお子さんに再会できます。


中期以降は1年生から4年生までがそれぞれ2~3人ずつの部屋になります。小隊毎に男子は4つの部屋に分かれ、女子は中隊毎に2つの部屋に分かれます。部屋はそれぞれ就寝室と学習室があり、一人ずつベッドと机が用意され、同部屋のメンバーで過ごします。入校説明会や入校式で大学に行けば部屋も見学できますが、中期に開校祭(11月の第2か第3の土日)が行われれば、保護者も部屋に入ることができます。

寝室

自習室


後期は防衛大学校での厳しい生活にも慣れて、あっという間に終わるそうです。
後期が終わり、2年生になったばかりの4月1日には、次に入校してくる1年生の対番として生活用品を準備したり、防大生のルールを指導したりする立場になります。また、同時にカッター訓練の練習も始まり、1年生に神経を使いながらの練習で肉体がボロボロになる最も厳しい期間だそうです。
また、2年生で陸・海・空の要員と選択する学科が決まり、その後4年生まで所属する大隊も決まります。

以上が防衛大学校1年生の学校生活です。


次に、自衛隊福岡地方協力本部の防衛大学校担当自衛官の方からの保護者へのアドバイスをご紹介します。
「防衛大学校に入校したということは、自衛隊の幹部候補生教育機関に就職したということです。そのことを保護者の方にはぜひご理解頂きたいと思います。お子さん達は仲間と共に頑張っています。もし何か問題が起これば学校側から必ずご連絡致します。連絡が無ければ頑張れているということです。どうぞ幹部として成長するお子さんの頑張りを応援してください。」
また、育友会では2019年にサマースクールを開催し、福岡出身の元陸上幕僚長の岡部俊哉氏をお招きして育友会の学生とのトークセッションを行いました。その時の岡部氏からのアドバイスです。
「保護者にお願いしたいのは、子離れをしてほしいということです。親も想いを我慢して、ご子息の成長を見守ってください。」
1年生の間は、電話はもちろん、LINEも既読にならないほど忙しい毎日をお子さん達は過ごしています。「どうしているだろう?」という心配から学校や教官へ保護者から連絡することは、親離れ・子離れができていない親子と思われてしまうことにもなります。心配なことがあれば育友会にご入会頂き、先輩保護者にお尋ねください。福岡地区育友会は親の想いを集めたお子さん達の応援団なのです。

入校に関する福岡育友会保護者が作成した案内です。